退職を考え始めると、上司の顔色が気になったり、「逃げだと思われるんじゃないか」って不安で胸が苦しくなったりしますよね。
特に、上司がしつこいタイプだったり、人手不足を理由に引き止められないか心配だったりすると、なかなか一歩が踏み出せないものです。
その気持ち、本当によく分かります。
でも、自分を壊してまで守るべき会社なんて、実はどこにもありません。たとえどんなに強い引き止めにあっても、あなたの人生を決める権利はあなた自身にあります。
この記事では、あなたの心を守りながら、スムーズに、そして確実に会社を辞めるための「最強の退職理由」や、相手に隙を与えない「伝え方」を、私の経験や友人の事例を交えてお話しします。
なぜあなたの退職は引き止められるのか？敵を知る基礎知識
ここからは、なぜ会社や上司があんなにも必死に引き止めてくるのか、その裏側と「絶対に引き止められない」ための根本的なルールについて解説します。
相手の事情（人手不足や保身）を知り、法律があなたの味方であることを理解すれば、過度な恐怖心はなくなります。
「会社側がどうすることもできない理由」を用意するのが、勝負の分かれ目ですよ。
会社が引き止める本当の理由（人手不足・採用コスト・上司の保身）
「君が必要なんだ」なんて熱く語られると、少し心が揺らいでしまうかもしれません。
でも、正直なところ、その言葉の裏にあるのは「会社側の都合」であることがほとんどです。
深刻な人手不足の中で、新しい人材を採用するには膨大なコストと時間がかかります。
それに、部下に辞められると上司自身の評価が下がる（マネジメント能力を疑われる）ことも多いんですよね。
つまり、あなたの将来を心配しているというよりは、「今、自分が困るから」引き止めているケースが大半なんです。そう思うと、少し冷静になれませんか？
h3. 法律は味方：退職は会社の「許可」ではなく「届出」で成立する
これ、意外と知られていないんですが、退職するのに会社の「許可」なんていらないんです。
法律上、労働者には職業選択の自由があって、退職届を提出（届出）して2週間が経過すれば、会社の合意がなくても退職は成立します。
就業規則に「1ヶ月前に申し出ること」とあっても、法律の方が強い効力を持ちます。
「辞めさせてもらえませんか？」と相談するのではなく、「辞めます」と権利を行使するだけ。法的に守られているんだと知っておくだけで、強気になれますよ。
引き止められにくい理由の共通点＝「会社側が解決できない不可抗力」
最強の退職理由とは何か。それは、上司がどれだけ頑張っても「解決してあげられない」問題です。
たとえば「給料が不満」と言えば「上げるから」と返され、「残業が辛い」と言えば「減らすから」とカウンターを食らいます。
でも、「家族の介護」や「配偶者の転勤」はどうでしょう？会社側にはどうすることもできませんよね。
このように、相手が介入できない「不可抗力」や「個人的なライフプラン」を理由にするのが、引き止めを回避する鉄則です。
【決定版】絶対に引き止められない最強の退職理由10選
ここからは、実際に私が相談を受けた中でも特に効果的だった「最強の退職理由」を10個厳選して紹介します。
体調不良や家庭の事情、キャリアチェンジなど、誰にでも使いやすく、かつ上司が「それなら仕方ない」と諦めざるを得ないものばかりです。
嘘をつくことに抵抗があるかもしれませんが、自分を守るための「建前」は社会人の知恵。あなたの状況に合わせてアレンジしてみてくださいね。
1【体調・健康】心身の不調・療養専念（ドクターストップの活用）
これはもう、問答無用で一番強い理由です。「ここ最近、体調が悪化していて、医師から『このままでは働けなくなる』と休養を勧められました」と伝えましょう。
ポイントは「相談」ではなく「報告」にすること。
「会社に迷惑をかけたくないので、治療に専念します」と言い切れば、会社側も無理に働かせて万が一のことがあれば責任問題になるため、引き止められません。
もし診断書が出せるなら最強ですが、なくても「心身の限界」を訴えるだけで十分効果的です。
2【家庭の事情】家族の介護・看護が必要になった
「実家の親の介護が必要になり、地元に戻らなければならなくなった」「家族の体調が悪く、私がサポートしなければならない」という理由は、プライベートな領域なので上司も口出しできません。
「仕事と介護の両立は難しい」と伝えれば、それ以上「なんとかならないか」とは言いにくいものです。
嘘をつくようで気が引けるかもしれませんが、家庭の事情は非常にデリケートな問題なので、詳細は伏せたままでも「家のこと」と言えば、深く追求されない傾向にあります。
3【家庭の事情】パートナーの転勤・結婚に伴う転居
結婚や配偶者の転勤で、物理的に通勤が難しくなるという理由は、会社側もお手上げです。
「夫（妻）が急に転勤になり、ついていくことになりました」と言えば、もう引き止めようがありません。
引っ越し先の地域や時期を具体的に（架空でも）設定しておくと、より信憑性が増します。
「通える距離じゃないの？」と聞かれても、「新幹線でも数時間かかるので」と返せば、物理的に継続不可能ですから、スムーズに退職手続きへ進めます。
4【家業】実家の家業を継ぐ・手伝うことになった
ご実家が商売や農業をしている、あるいは自営業をしているという設定が使えるなら、これも強力です。
「高齢の父が体調を崩し、急遽、家業を手伝うことになりました」というストーリーです。
家族の絆や責任感を理由にすると、日本企業の上司は意外と情にほだされやすく、「それなら応援するよ」となりやすいんです。
全くの嘘だとバレるリスクがありますが、親戚の手伝い程度でも「家業のようなもの」と言い換えることは可能です。
5【キャリア】未経験の異業種・職種への挑戦
「今の仕事が嫌」ではなく、「どうしても挑戦したい別の仕事がある」というポジティブな理由は、応援されやすいものです。
特に「ITエンジニアになりたい」「以前から興味のあった福祉の分野にいきたい」など、今の会社では絶対に叶えられない異業種を挙げましょう。
「うちの会社でも別の部署でできるよ」と言わせないために、今の会社には存在しない職種や業界を選ぶのがコツです。
「人生一度きりなので、後悔したくないんです」と熱意を見せましょう。
6【キャリア】資格取得や学業への専念（留学・大学院など）
「専門学校に通って資格を取りたい」「語学留学に行く」といった、学びを理由にするのも手です。
「働きながらでは難しいので、退職して勉強に専念したい」と言えば、前向きな決断として受け取られやすいです。
特に20代や第二新卒の世代なら、将来への投資という理由は納得感があります。
「いつから学校？」と聞かれたら、「来期からの入学に向けて準備が必要です」などと具体的に答えられるようにしておくと安心ですね。
7【夢・目標】昔からの夢を叶えるために独立・起業
「フリーランスとして独立します」「友人と起業することになりました」という理由は、会社という枠組みから抜ける宣言なので、引き止めが無効化します。
「失敗するぞ」と脅されるかもしれませんが、「失敗してもいいから、若いうちにチャレンジしたいんです」と笑顔で返せばOK。
リスクを承知で挑戦する人を、会社は止める権利がありません。今の会社と競合しない分野であれば、トラブルも起きにくいですよ。
8【ライフスタイル】Uターン・Iターン（地元へ戻る）
「両親が心配なので地元に帰ります」「以前から憧れていた地方への移住が決まりました」という地理的な移動を伴う理由は、通勤不可となるため鉄板です。
特に地方出身者の方が「親の近くにいたい」と言うと、多くの上司は納得します。
「いつ引っ越すの？」と聞かれた際に、退職希望日と合わせてスケジュールを伝えてしまえば、外堀を埋めることができます。
9【決定事項】すでに次の転職先が決まっている
これが最もシンプルで強力な事実です。「すいません、実はもう次の会社の内定をもらっていて、入社日も決まっています」と事後報告するパターンです。
次が決まっている人を引き止めても、内定辞退をさせることになるため、会社側も諦めざるを得ません。
「どこの会社？」としつこく聞かれるリスクはありますが、「競合ではないので」「相手方の意向で伏せさせていただきます」とかわせば大丈夫です。
10【万能】一身上の都合（詳細を伏せる権利と使いどき）
ここまで色々な理由を挙げましたが、実は法律上、退職届には「一身上の都合」と書くだけで十分なんです。理由を詳細に説明する義務はありません。
もし上司との関係が悪く、何を言っても揉めそうなら、あえて理由は言わず「私個人の事情です」の一点張りで通すのも一つの戦略です。
「言いたくないこと」を無理に聞き出すのはハラスメントになり得ますから、毅然とした態度で貫くのも、自分を守る術ですよ。
女性や特定ライフステージで有効な退職理由3選
女性の場合、ライフステージの変化に伴う理由は、上司（特に男性上司）にとって深く踏み込みにくい「聖域」となることが多いです。
ここでは、結婚、出産・育児、パートナーの事情など、女性特有の状況をうまく活用して、角を立てずに退職する理由を3つ紹介します。
これらはプライバシーに関わるため、会社側も配慮せざるを得ません。
結婚準備や妊活・不妊治療への専念
結婚が決まり「家庭に入って支えたい」「式の準備で忙しくなる」という理由は、古風な考え方かもしれませんが、今でも非常に有効です。
また、妊活や不妊治療は通院のスケジュールが不定期で、仕事との両立が精神的にも肉体的にも負担になります。
「治療に専念したいので」と伝えれば、セクハラ・マタハラのリスクを恐れる会社側は、それ以上強く引き止めることができません。
非常にデリケートな話なので、さらっと伝えるだけで察してもらえることが多いです。
h3. 育児と仕事の両立・保育園の事情による退職
すでにお子さんがいる場合、「保育園のお迎えが間に合わない」「子供が頻繁に熱を出し、これ以上迷惑をかけられない」という理由は、母親としての責任感をアピールでき、共感を得やすいです。
「実家の親のサポートも期待できなくなった」などの状況変化を付け加えれば、「それなら仕方ないね」とスムーズに受理されやすいでしょう。
子供を理由にすることに罪悪感を持つ必要はありません。家族を守るための賢い選択です。
夫（パートナー）の転勤による物理的な継続困難
先ほども少し触れましたが、パートナーの転勤は最強のカードです。
特に「夫の転勤」と言うと、社会通念上、ついていくのが自然という風潮がまだ残っているため、上司も納得しやすいです。
本当は転勤なんてなくても、「転勤の可能性が出てきたので、今のうちに準備をしたい」と少しぼかして伝えるテクニックもあります。
物理的に距離が離れるという事実は、どんな好条件の引き止め工作も無効化できます。
退職理由は「嘘」でもいい？バレないための戦略と「変換表」
「嘘をついて辞めるなんて、人としてどうなんだろう…」と心が痛む優しいあなたへ。結論から言うと、円満退職のために「優しい嘘」をつくことは、自分と会社、双方にとっての潤滑油になります。ここでは、本音の不満をどうやって建前に変換するか、そしてその嘘がバレないためのリスク管理について、図解イメージや具体策を交えて解説します。
結論：円満退職のための「優しい嘘（建前）」は必須スキル
正直に「上司が嫌いだから」「給料が安いから」と言って辞められれば楽ですが、それでは「改善するから残って」と言われたり、退職までの期間、気まずい思いをしたりするだけです。
退職理由における嘘は、相手を傷つけるためのものではなく、無用なトラブルを避けてお互いが気持ちよく別れるための「マナー」だと捉えてください。
あなたの心を守るための防具ですから、罪悪感を持つ必要なんて全くないんですよ。
【図解】ネガティブな本音をポジティブな建前に変える「変換マトリクス」
本音をそのままぶつけると揉めます。以下のように、ネガティブな理由をポジティブ、または不可抗力な理由に変換してみましょう。
| あなたの本音（ネガティブ） | 相手に伝える建前（ポジティブ・不可抗力） |
| 給料が安すぎる | 実力主義の環境で自分の市場価値を試したい、稼業を手伝う必要がある |
| 残業・拘束時間が長い | 資格取得の勉強時間が欲しい、家族の介護が必要になった |
| 人間関係・上司が嫌 | チームではなく個人の裁量で働きたい、全く違う業界で視野を広げたい |
| 仕事がつまらない | 新しいスキル（英語やITなど）を身につけたい、夢だった職種に挑戦したい |
| 会社の将来が不安 | 安定した環境で長く働きたい、Uターン就職で地元に貢献したい |
このように変換することで、会社側は「改善提案」ができなくなり、応援するしかなくなります。
嘘をつく際のリスク管理①：設定の一貫性を保つチェックリスト
嘘をつく時に一番怖いのは「つじつまが合わなくなること」です。
「実家の介護で帰る」と言ったのに、「次の会社は都内？」と聞かれてうっかり「はい」と答えてしまっては台無しです。
| 手順・項目 | 具体的な内容 |
| 退職理由の核を決定 | 理由の軸を明確にする（例：介護に伴う帰省など） |
| 時系列の整理 | 出来事の発生時期と今後の予定を確認（例：親が倒れた時期、引越し時期） |
| 今後の予定の確定 | 退職後の状況を整理しておく（例：当面は無職で看病に専念するなど） |
この3点を事前にノートに書き出し、頭の中でシミュレーションしておきましょう。設定がブレなければ、堂々としていられます。
嘘をつく際のリスク管理②：SNS投稿と「同僚への情報漏洩」に注意
「実は嘘なんだけどさ…」と仲の良い同僚にだけ話す。これが一番バレる原因です。人の口に戸は立てられません。
退職が完了し、源泉徴収票などを受け取るまでは、誰にも本音を言わないのが鉄則です。
また、SNSも要注意。「転職決まった！ハッピー！」なんて投稿を、どこで誰が見ているか分かりません。
退職代行を使って即日退職する場合などは特に、デジタル上でも沈黙を守るのが身のためです。
よくある不安：「診断書を出せ」と言われたらどうする？
「体調不良」を理由にした場合、「診断書を出して」と言われることがあります。
もし本当に体調が悪いなら心療内科などで診断書をもらうのがベストですが、もし嘘の場合は焦りますよね。
その場合は、「まだ病院には行っていませんが、体調が悪く予約も取れていない状態です。
まずは休養したいんです」と押し切るか、診断書が不要な「一身上の都合」に切り替えても法的には問題ありません。就業規則で診断書が必須となっていても、退職の権利自体は阻害できないのです。
【実践編】引き止めを回避する退職の伝え方と準備ステップ
理由が決まったら、次は「どう動くか」です。
退職を伝えるタイミングや切り出し方一つで、相手の反応は劇的に変わります。
ここでは、ボーナスをもらって損せずに辞めるスケジュールや、上司を個室に呼び出すときのアポ取りメールの例文など、具体的で実践的なアクションプランをステップバイステップで伝授します。
時期設定：ボーナス支給日と有給消化を考慮した「損しないスケジュール」
どうせ辞めるなら、もらえるものはしっかりもらって辞めましょう。理想的なのは「ボーナス支給確認後」に退職を申し出ること。
例えば、12月10日が支給日なら、12月中旬に申し出て、1月末での退職を希望する。そして退職日までの残りの日数を有給消化にあてるのが黄金ルートです。
有給は労働者の権利ですから、遠慮なく消化してOK。就業規則を確認し、退職希望日の1ヶ月?2ヶ月前から準備を始めるとスムーズですよ。
マインドセット：「相談」ではなく「決定事項の報告」として伝える
多くの人がやってしまう失敗が、「退職しようか迷ってるんですが…」と相談してしまうこと。これだと上司は「説得すれば残る」と思い、全力で引き止めにかかります。
大事なのは「退職することは決定事項」として伝えること。
「お話しがあります」と切り出し、「○月末で退職させていただきます」と言い切りましょう。
揺るがない意志を見せることが、最短で退職を承認させるコツです。
切り出し方：アポ取りのメール例文と会議室での第一声
いきなりデスクで「辞めます」とは言えませんよね。まずはメールやチャットでアポを取りましょう。
【件名】今後の進退についてのご相談 「お疲れ様です。私事でお忙しいところ恐縮ですが、今後の進退についてお話ししたいことがございます。
明日以降、20分ほどお時間をいただけないでしょうか。」
そして会議室に入った第一声は、真剣な表情で。
「突然で申し訳ありません。一身上の都合により、来る○月○日をもって退職させていただきたく、お願い申し上げます。」
このセリフを言えたら、もう8割は成功したようなものです。
社内政治：同僚に話すタイミングと箝口令（かんこうれい）の重要性
退職が決まるまでは、同僚には絶対に言わないでください。噂が上司の耳に入ると、呼び出されて先手を打たれるなど、面倒なことになります。
上司と合意し、正式な退職日が決まってから、「○日の朝礼で発表します」などとアナウンスのタイミングを調整しましょう。
それまでは「箝口令（かんこうれい）」を敷き、普段通りに振る舞うのが、余計なトラブルを避ける大人の処世術です。
会社からの「カウンター（引き止め工作）」完全攻略
あなたが優秀であればあるほど、会社はあの手この手で引き止め（カウンター）を仕掛けてきます。「給料を上げる」「君がいないと困る」「業界で噂を流すぞ」。
そんな言葉に動揺しないよう、あらかじめパターン別の対策を持っておきましょう。
ICレコーダーの準備など、自分を守るための防御策も紹介します。
条件提示型：「給与アップ・異動」を提示されたときの断り方
「給料を5万上げるから」「希望の部署に異動させるから」という甘い言葉。でも気をつけて。その約束が守られる保証はありませんし、一度「辞める」と言った人間への風当たりは強くなりがちです。
断り方はシンプルに。「評価していただくのは光栄ですが、問題は待遇ではなく、私のキャリアプラン（または家庭の事情）にありますので、意思は変わりません」と伝えましょう。お金や場所の問題ではないと突っぱねるのが正解です。
情に訴える型：「今辞められると困る・無責任だ」への切り返し
真面目な人ほど、これに弱いです。「育ててやったのに」「プロジェクトの途中で投げるのか」と言われると、罪悪感が湧きますよね。
でも、人員配置は会社の責任であり、あなたの責任ではありません。「ご迷惑をおかけするのは重々承知していますが、今のまま働き続けることは、私自身の人生にとって難しいと判断しました」と、申し訳なさそうな顔をしつつ、心の中では「私の人生は私のもの」と割り切りましょう。
脅し・威圧型：「業界にいられなくしてやる」等のハラスメント対策
ブラック企業に多いのがこのタイプ。「損害賠償を請求するぞ」「離職票を出さないぞ」などと脅してきますが、これらはほとんどが法的に無効なハッタリです。
「そのような発言は脅迫と受け取れます。労働基準監督署や弁護士に相談させていただきます」と冷静に返しましょう。あまりに酷い場合は、その場ですぐに会話を打ち切り、退職代行などのプロにバトンタッチするのが安全です。まともに相手をしてはいけません。
h3. 【上司タイプ別】感情型・論理型・放置型ごとの響く伝え方
相手のタイプに合わせて伝え方を変えるのも戦略です。
| 上司のタイプ | 交渉のスタンス・戦略 | 具体的な対応・注意点 |
| 感情型（熱血上司） | 情に訴える | 感謝の言葉を強調しつつ、「個人の人生の決断」として理解を求める。 |
| 論理型（詰め上司） | 事実と計画で押す | 感情論を排除し、退職日・引継ぎ工程・法的根拠（2週間前告知など）を淡々と伝える。 |
| 放置型 | 事務的・証拠重視 | 事務的に手続きを進める。「見ていない」という言い逃れを防ぐため、メール等で記録を残す。 |
万が一のために：面談時はICレコーダーで証拠保全を
退職交渉がこじれそうな予感がしたら、必ずスマホの録音アプリやICレコーダーをポケットに忍ばせておきましょう。
「殺すぞ」といった暴言や、「辞めるなら罰金を払え」といった違法な発言があれば、それが強力な武器になります。使う機会がなくても、「録音している」という事実が、あなたのお守りになり、冷静さを保たせてくれますよ。
どうしても辞めさせてくれない場合の最終手段
どれだけ丁寧に伝えても、話を聞いてくれない、退職届を受け取らない…そんな「通じない相手」も残念ながら存在します。
でも絶望しないでください。あなたには法的な「強行突破」の手段が残されています。内容証明郵便や労基署、そして今話題の退職代行サービス。
これらはあなたの自由を取り戻すための「非常口」です。
内容証明郵便での退職届送付（一方的な解約通告）
上司が退職届を受け取ってくれないなら、郵便局から「内容証明郵便」で社長宛に送りつけましょう。これは「いつ、誰が、どんな内容を送ったか」を郵便局が証明してくれるものです。
会社に届いた時点で法的に退職の意思表示が完了します。そこから2週間経てば、会社の合意がなくても自動的に退職成立です。ちょっと強硬手段ですが、法的にはこれで完全に勝てます。
労働基準監督署や総合労働相談コーナーへの通報
「辞めさせてくれない」「離職票をくれない」といったトラブルは、労働基準監督署内の総合労働相談コーナーへ相談しましょう。
労基署は会社に「指導」を入れることができます。ただ、強制力には限界がある場合もあるので、「労基署に相談に行きました」と会社に伝えること自体が、プレッシャーをかけるカードになると覚えておいてください。
h3. 即日対応も可能？退職代行サービスのメリット
「もう明日から会社に行きたくない」「上司と顔を合わせるのが限界」。そんな時は、迷わず退職代行サービスを頼ってください。
お金（2～3万円程度）はかかりますが、業者があなたの代わりに会社へ連絡し、あなたは家で寝ているだけで退職が完了します。
メリット： 即日で出社しなくて済む、上司と話さなくていい、精神的苦痛からの解放。
弁護士監修や労働組合運営のしっかりしたサービスを選べば、有給消化の交渉も可能です。「逃げ」ではなく「自分を守るための賢い投資」だと思ってくださいね。
退職決定後から最終出社日までの過ごし方
退職が決まっても、最終出社日までは針のむしろ…なんて心配していませんか？確かに気まずい空気は流れるかもしれませんが、それもあと少しの辛抱。
ここでは、残りの期間をどう乗り切るか、そして「立つ鳥跡を濁さず」でスマートに去るための引継ぎのコツをお伝えします。
「気まずい」空気の乗り越え方と割り切り方
退職が決まると、周囲の態度がよそよそしくなったり、会議に呼ばれなくなったりすることがあります。
でも、これは「卒業までのカウントダウン」だと思って割り切りましょう。
「あの人、もう辞めるから」という空気は、逆に言えば「もう責任を負わなくていい」という自由の証です。
淡々と業務をこなし、定時でサッと帰る。あと数週間で一生会わなくなる人たちです。
嫌味を言われても「はい、すみません（あと3日の我慢♪）」と心の中でカウントダウンしていれば、ダメージは受けませんよ。
h3. 立つ鳥跡を濁さず：完璧な引継ぎ資料作成のコツ
円満退職の最後の一押しは、完璧な引継ぎです。「あの人が辞めて困った」と言わせないよう、誰が見ても分かるマニュアルや引継ぎ書を作成しましょう。
| 項目 | 具体的な内容 | 目的・効果 |
| 業務のフローチャート | 業務の一連の流れを可視化した資料 | 誰が見ても全体のプロセスが分かるようにする |
| 関係者の連絡先リスト | 社内外の担当者や協力会社の連絡先 | 後任者がスムーズに連携を取れるようにする |
| トラブル時の対処法 | 過去の事例や想定される問題への対応策 | 予期せぬ事態でも現場が混乱しないようにする |
| 未完了タスクの進捗 | 現在進行中の仕事の状況と残り作業 | 業務の漏れを防ぎ、確実に完結させる |
| 引継ぎの姿勢 | 資料をフォルダにまとめ、対面で丁寧に説明する | 「プロとして責任を果たす」という好印象を残す |
これらをフォルダにまとめ、後任者に丁寧に説明する姿勢を見せれば、最後に「いい人だったな」という印象を残して去れます。自分のためにも、最後はプロとして締めくくりましょう。
まとめ：ブレない意志と準備があれば円満退職は可能
退職は、あなたの人生をより良くするためのポジティブな選択です。引き止めや上司の威圧に屈する必要は全くありません。
大切なのは、「辞める」という強い意志と、相手が反論できない「理由の準備」。そして、どうしても辛いときは退職代行という「逃げ道」があることを忘れないでください。
新しい環境は、すぐそこで待っています。「あの時、勇気を出してよかった」と笑える日が必ず来ますから、まずは小さな一歩、準備から始めてみませんか？あなたの決断を、心から応援しています。
あなたの悩み解決 Q&A
退職代行を使って辞めたら、あとで会社から電話がかかってきませんか？
退職代行を使うのは、やっぱり社会人として失礼でしょうか？
会社に私物が残っているのですが、取りに行かないとダメですか？
離職票や源泉徴収票などの書類は、ちゃんともらえますか？
サービスを利用する際、親に保証人になってもらう必要はありますか？
ボーナスをもらった直後に退職代行を使っても、返金しろと言われませんか？
有給休暇が残っている場合、全部使い切ってから辞められますか？
退職代行を頼んだその日に辞めることは本当に可能なんですか？
弁護士が運営する代行サービスと、普通の業者は何が違うの？
会社を辞めた後、生活費が不安です。どうすればいいですか？